確定申告書や届出書など、税務署に提出した書類の控えはとっていますか?
「税務署に提出した書類は税務署に保管されているんだから自分で保管する必要なんてあるの?」なんて方も結構多いのではないかと思います。
しかし、税務署に提出する書類はしっかりと同じものを自分の控えとして準備したほうが良いと思います。なぜなら税務署に提出した書類は今後の税務や収入の証明などに必要となることが多いためです。さらに控えを再発行してもらうこともできません。
今回は税務署に提出した書類を後日調べる方法についてお話ししたいと思います。
1.確定申告書の控えは再発行できない
子供の進学やご自宅の転居などの際にご自身の収入を証明する必要あるタイミングがあります。
会社員の方は会社から発行された源泉徴収票を提出します。源泉徴収票を紛失してしまった場合には会社に依頼すれば再発行が可能です。
一方、自営業の方は確定申告書の控えの提出します。この確定申告書の控えは再発行はできません。
確定申告書を提出する際、税務署に提出するものと自分の控え用で2部用意すると1部は税務署の収受員が押印され返却されます。
しかし多くの方がそもそも自分の控え用を作成していなかったり、自分の控えを紛失してしまったりするのです。
「税務署に提出した書類は税務署に保管されているのだから、税務署に依頼すればすぐにコピーしてもらえるんじゃないの」と思われるかもしれませんが、税務署はそんな依頼には応じてくれません。
2.届出書の控えも再発行はできない
青色申告承認届出書や消費税簡易課税制度選択届出書など税務には重要な届出書が多くあります。
この届出書についても税務署に提出するものと自分の控え用で2部用意すると1部は税務署の収受員が押印され返却されます。
しかし届出書なんて毎年提出するものではありませんので、多くの方が紛失してしまいます。そして、ご自身でも何の届出書が出ているのか、いつ提出したのかわからなくなってしまうのです。
3.過去に提出した申告書を調べる方法
①閲覧申請
過去に提出した申告書を確認する方法として「閲覧申請」という手段があります。その名の通り、過去に税務署に提出された書類を見せてもらう手続きになります。
注意点としてはあくまで見せてもらうことしかできないことです。税務署はコピ-をしてくれません。
「コピ-なんて1枚数円なんだからしてくれてもいいじゃない!」 と思うところなのですが、そう言ってしまえば 過去数十年分の確定申告書のコピ-を求められて困ってしまいます。
また、情報漏洩を防ぐというのも理由の一つかもしれません。
さらに、カメラで撮影するのも原則NGです。(税務署担当者によっては黙認してくれる可能性もあるようです。)
そのため、未記載の申告書用紙を持っていき、手書きで書き写すしかありません。
また、何の申告書・届出書が提出されているかは請求するまで明確には教えてもらえません。
たとえば 「平成28年分の所得税の確定申告書を見せてください」 といった場合、確定申告書は見せてもらえます。ただし、その申告について修正申告があった場合でも、税務署は確定申告書しか出しません。
もちろん、ご自身に修正申告した記憶があれば、「平成28年の所得税の修正申告書を見せてください」 といえばいいわけですが・・・・覚えていませんよね。
つまり、どんな申告書が提出されたのか、または提出された可能性があるのかを 推測して閲覧請求していく必要があるのです。
②作成を依頼した税理士にコピーしてもらう
もし過去の申告書や届出書を税理士に作成してもらったのであれば、その税理士にコピーをもらう方法があります。
基本的に税理士が作成した場合は、税理士も作成した書類を保存しております。私の事務所では最低5年間は紙媒体で保管し、それ以降もデータで保管しています。
これも税理士に申告書作成を依頼するメリットの一つです。
③公文書開示請求
この方法は私自身やったことがないので詳しいお話はできませんが、税務署に提出した書類は「公文書」になります。つまり、国が管理している文書になるため上記のように簡単にはコピーをしてもらえないのです。
しかし、しっかりとした手続きを踏めば公開してもらうことができます。それが公文書開示請求です。ただし、この方法は手続きが煩雑なためあまり利用することはなく最終手段となるかと思います。