税金 税務情報

奨学金の税務

投稿日:2019年1月14日 更新日:

 以前、お客様からこんなご質問がありました。

「息子が返済不要の奨学金をもらったんだけど、扶養から外れるの?」

 税務上、扶養控除が適用されるのは、その扶養される親族が一定の所得金額以下であることが要件となっています。たとえば、扶養される親族がアルバイトなどで給与を受けていた場合には年間収入が103万円以下でなければなりません。

 では、この扶養控除が適用されるかどうかの判定に「奨学金」が影響するのかについて、今回はお話ししていきたいと思います。

1.奨学金の種類

 奨学金といっても返済が必要なものと、返済が不要なもので取り扱いが異なります。

①返済が必要なもの

 奨学金のうち将来的にその全額を返済しなければならないものについては、利息の有無にかかわらず、税務上は借入金と同様です。

 したがって、奨学金を受け取ったとしてもそれは収入ではないため、なんら税金がかかることはありませんし、扶養控除の判定上も影響を及ぼしません。

②返済が不要なもの

 成績優秀者などに対して返済の必要がない奨学金が付与される場合があります。この奨学金については所得税において非課税とされています。 (所得税法第9条第1項第15号)

 したがって、扶養控除の判定においても非課税の所得を含める必要はないため、103万円を超える奨学金を受けていても、扶養控除は適用されます。

 ただし、あくまで所得税上のお話ですので社会保険などの扶養の判定については別途お調べください。

3.注意点

 また、最近では奨学金の返済を親や企業が肩代わりするケースも増えているため、その取扱いに注意しなければなりません。

①親が肩代わりした場合

 返済が必要な奨学金について、その返済を親が肩代わりして返済した場合には、原則として贈与税の課税対象となります。

  通常、扶養義務者である親から教育費や生活費を子供に渡した場合、贈与税は非課税とされているため何ら問題はありません。ただし、奨学金の返済は教育費そのものではないため、親が肩代わりした場合には贈与税の課税対象となるため注意が必要となります。

②企業が肩代わりした場合

 奨学金を返済中である自社の従業員に対して、その返済支援のために一定額を支給する企業も最近ではあります。

 しかし、この支給については通常の給与と同様に給与所得として課税されます。支給する企業側としては給与に含めて源泉徴収をする必要があります。

-税金, 税務情報

執筆者:

関連記事

no image

税務書類の保存期間

税金の申告書や届出書の控え、領収書などはいつまで保存すればよいのでしょうか。 今回は税務書類の保存期間についてお話ししましょう。 1.申告書や届出書 申告書や届出書の控えについては、特段保存期間の定め …

no image

消費税簡易課税の業種区分

消費税の簡易課税制度を適用している場合、課税売上を1~6種の業種に区分しなければなりません。 世の中には様々な取引があり、この業種区分が難しいものがあります。 今回は業種区分についてご質問の多い取引を …

no image

税務署に提出した書類の閲覧申請について

 確定申告書や届出書など、税務署に提出した書類の控えはとっていますか?「税務署に提出した書類は税務署に保管されているんだから自分で保管する必要なんてあるの?」なんて方も結構多いのではないかと思います。 …

no image

税理士の探し方、選び方

初めての開業。 税金のことなんて何もわからないし、めんどくさいし、税理士にお願いしよう!でも税理士ってどこで探せばいいんだ?どう選べばいいんだ? そんなことありませんか?   今回 …

no image

消費税の経過措置を簡単に解説!

みなさんは「消費税の経過措置」をご存知でしょうか? 2019年10月1日より消費税率が10%に引き上げられる予定ですが、この「経過措置」に該当する場合には2019年10月1日以降の取引についても消費税 …

スポンサーリンク




プロフィール

~プロフィール~

サイト管理人のゼンと申します。

現役税理士が税務情報や株式投資についてお話します。

役立つ記事があれば参考にしてください。

詳細プロフィールはこちら
 

~更新記事一覧~

2018年11月  ▲ 20,391円

2018年12月  +183,832円

2018年 年間収支+163,441円

 

2019年 1月  + 21,128円

2019年 2月  ▲255,290円

2019年 3月  + 58,471円

2019年 4月  ▲110,793円

2019年 5月  ▲ 69,713円

2019年 6月  +115,127円

2019年 7月  +192,802円

2019年 8月  ▲ 172,115円

2019年 9月  +415,766円

2019年 年間収支+195,383円

 

生涯収支     +358,824円