上場企業の株主構成は会社四季報に掲載されており、会社の株主構成をみると様々な情報を把握することができます。
今回は株主構成から得られる情報について解説します。
1.オーナー企業と他の上場企業の子会社
発行株式の過半数を経営者やその親族が保有している会社をオーナー企業といいます。
オーナー企業は上場し多くの投資家から資金を調達していますが、株式の過半数を経営者一族が保有しているため、その会社の経営はオーナーの一存で決定することができます。
また、発行株式の過半数を他の上場企業に保有されているような会社もあります。
こういった会社で気を付けなければならないことは、オーナーや親会社がTOB(株式公開買付け)により投資家から株式を買い取り、非上場化する可能性があることです。
また、非上場化は株価が低迷しているときに実施されやすくなります。なぜなら、株価が低いほうが非上場化のための買い取りにかかる費用を少なくすることができるからです。
非上場化するときは市場の株式がTOB実施時近辺の株価を参考に強制的に買い取られます。
したがって、過去に高い株価で買ったまま塩漬け状態で放置していた場合には含み損が強制的に実現させられてしまいます。
上記のようなことが考えられるため、オーナー企業や他の上場企業の子会社については含み損が生じた場合には早めに損切りするように心掛けましょう。
2.外国投資家と投信の持ち株比率
会社四季報には外国人持ち株比率と投信持ち株比率が掲載されています。
この2つの比率は高いほうが優良企業として評価されていると判断することができます。
ただし、「買いは将来の売り」という言葉があるように、業績悪化などで企業の評価が悪くなった時には外国人投資家や投資信託が株を大量に売り出す可能性があります。
そのため、ゼンとしては外国人持ち株比率と投信持ち株比率は1~10%の企業を投資対象としています。
また、これらの比率の増減に注視しており、比率が増加した場合には将来的な株価上昇につながる可能性が高いと考えています。