前回、株主優待として金券を配布している銘柄を分析しました。
そこで作成したデータを使用して、とある分析を思いつきました。
「株主優待と配当を合わせて利回りの高い銘柄って何だろう?」
配当だけの利回りの高い高配当銘柄は様々なサイトで紹介されています。
本稿作成時の2019年3月25日の終値ベースでは㈱ベリテ(9904)が7.51%で最高利回りとなっております。
有名企業であれば松井証券(8628)が7.08%、昭和シェル石油(5002)が6.30%、日産自動車(7201)が6.03%となっております。
景気後退やらで株価が下落しているため、高配当利回りの銘柄が多くなっており、配当利回り4%以上の銘柄は結構あるのです。
一方、株主優待の利回りが高い銘柄を紹介しているサイトもあります。
ただし、それらサイトは表面利回りで計算されているためあまり参考にならないことが多々あります。
つまり、株主優待として「3,000円相当の自社製品」を配布している場合には、3,000円÷株価 で利回りを計算しています。
もし、その製品を必要としない人にとってはその株主優待の実質価値は0円ですよね?
また、食事券などを株主優待を配布している銘柄もありますが、普段から外食しない人にとっては不要なものであり実質価値は0円です。
もし金券ショップ等で額面の7割で換金することができるのであれば、7割の金額が実質価値となります。
そこで前回の記事で作成した金券を配布している銘柄の配当利回りを調査し、配当+株主優待で利回りの高い銘柄を探してみました。
1.抽出条件
抽出条件については前回の記事にも記載しましたが、改めて記載します。
①本稿作成日の2019年3月25日の終値を基準として利回りを算定した。
②株主優待の内容についても2019年3月25日時点の内容を基準とした。
③QUOカード、一般ギフトカード、図書カードを配布している銘柄を対象とし、食事券・自社サービスの割引券などを配布している銘柄は対象外とした。
④保有株式数を株主優待の配布条件としている場合には、還元率の一番高い株式数をもとに算定した。
⑤株主優待の付与について保有期間による制限がある場合には1年以上継続保有があるものとして算定した。
⑥配当については税引き後の金額を株価で除した実質利回りを使用した。
2.配当+株主優待高利回り銘柄
1位 TATERU(1435) 11.54%
2位 プロパティエージェント(3464) 6.66%
3位 アグレ都市デザイン(3467) 6.06%
4位 アサックス(8772) 5.83%
5位 ムゲンエステート(3299) 5.70%
6位 シノケングループ(8909) 5.26%
7位 ファーストコーポレーション(1430) 5.22%
8位 タマホーム(1419) 4.88%
9位 FPG(7148) 4.82%
10位 ケア21(2373) 4.66%
こう並べて見ると不動産や建設という業種の銘柄が多いのがわかります。
株主のことを考えて配当を多くしたり、株主優待を充実させたりしているのでしょうか?
ゼンとしては業種が不人気だから株価が下落して利回りが高くなったような気もします。