その他

会社設立

投稿日:

会社設立をとても安い報酬でやっている税理士事務所があるというお話がありました。 気になって、その税理士事務所のHPを検索してみたのですが、 なんと大手の税理士法人ではないですか・・・ ついに大手が「会社設立」という案件にも参入してきたなぁと感じました。 そんなわけで、本日は「会社設立はどの士業に頼むべきか?」を考えてみます。 行政書士兼税理士である私としては、とても話づらい話題なのですが、 ただ「安い」からという理由だけで、税理士に会社設立をお願いして欲しくないと思ったからです。 「なぜ税理士は、会社設立報酬を安くしているのか」ということや 司法書士、行政書士、社会保険労務士、税理士のそれぞれのメリット・デメリット知った上で お客様自身で判断できるようにするというのが今回の目的です。 ①自分で設立する 会社設立は自分でもできます。 インタ-ネットで定款の作成方法などは調べられますし、 平日に公証役場や法務局に行く時間さえあれば、自分で設立手続きをするという方法もあります。 ただし、「電子定款認証」というのがありまして 通常、紙に印刷した定款を公証役場で認証してもらう場合、収入印紙4万円分が必要になります。 しかし、この「電子定款認証」は定款をPDFファイルで作成し、デ-タを公証役場で認証してもらうことから 印紙代がかかりません。 しかし、この電子定款認証をするためには、PDFファイルを加工するためのAdobeAcrobatのソフトや 電子署名のソフトが必要になります。 これを購入する費用が安くても4万円以上かかってしまうので、 結局、自分で設立するより、士業にお願いした方が安くて確実だったりします。 ②司法書士さんにお願いする 司法書士さんのほとんどが上記の電子定款認証に対応していると思います。 そのため、純粋に会社の設立だけをお願いするのであれば司法書士さんにお願いするのがベストだと思います。 司法書士の報酬が4万円より少なければ、自分で設立するより安いわけですから。 また、法人の登記手続きを代行できるのは司法書士だけです。 税理士・行政書士に会社設立をお願いした場合でも、登記手続きだけは司法書士さんがやっているはずです。 (もし、税理士・行政書士自身が登記手続きをしているのであれば違法ですのでご注意ください) ③行政書士にお願いする 行政書士は上記のとおり登記手続きは代行できません。 そのため、登記手続きは提携司法書士に依頼するか、お客様本人でやっていただくことになります。 お客様本人でやった場合、少し報酬が安くなります。 行政書士にお願いする一番のメリットは、許認可手続を一緒にやってもらえるという点だと思います。 建設業、運送業、飲食業などは一定の許認可が必要になるため、 行政書士にお願いすれば安心です。 「法人は作ってもらったけど、許可がなかなかでなくて開業が遅れた」 「そんな許可が必要なんて知らなかった」 なんてことは行政書士にお願いすれば大丈夫です。 また、許認可申請と会社設立を一緒にお願いすることによって報酬も少し安くなります。 ④社会保険労務士にお願いする 会社設立をメインにやっている社会保険労務士さんはあまり聞いたことがありません。 皆さんも「会社設立→社会保険労務士」というイメ-ジはあまりないと思います。 しかし、社会保険労務士に会社設立を依頼するメリットはあります。 法人を設立した場合、原則として社会保険や厚生年金・雇用保険に加入しなければなりません。 (一定の場合には加入しなくてよい場合があります) そういった手続きを代行できるのが社会保険労務士です。 また、会社設立を主な業種としている社会保険労務士の方は助成金を得意としているはずです。 起業した場合の助成金や、雇用した場合の助成金などがございます。 もちろん、こういった手続きと会社設立を一緒にお願いすることによって報酬が少し安くなるかもしれません。 ⑤税理士にお願いする 税理士にお願いした場合のメリットは、税務関係の届出書の作成提出を代行できる点です。 また、個人事業者が法人成りするのであれば、税金が少なくなるかなどの相談が可能です。 さらに、会社設立報酬が安いのも大きな特徴です。 なぜ、安くできるのかというと その後の会計記帳や決算、申告などがセットになっているからです。 むしろ会社設立費用が無料でも 顧問料が月1万円で年12万円 決算書・申告書の作成で6万円 年間で18万円は税理士報酬として支払うこととなります。 (顧問契約が1年間解除できないとした場合) 「結局、どの士業にお願いすれば良いのでしょうか?」と言われるかもしれませんが、 どの士業にお願いした場合にもメリット、デメリットがあります。 「では、全士業がそろっているような大手の総合事務所にお願いすれば・・・」 それも一利あると思います。 とにかく、会社設立を設立するといろいろな手続きが必要、可能になります。 会社設立と他の手続きを同じ事務所にお願いすれば報酬は安くなりますが、 やはりその事務所が信頼できるかしっかりと判断して頂きたいと思います。 あくまで、今回の記事は私の個人的な考え方ですので、 どの士業が良い、悪いと断定したものではありません。 気を悪くされる方がいたら申し訳ありません。

-その他

執筆者:

関連記事

no image

土地の権利書をなくした場合

年末になり今年を少し振り返っていたところ、とある相談を思い出しました。 「権利証を紛失したらどうすればいい?」 突然の電話での相談だったのであわてて調べた記憶があります。 せっかくなのでブログのネタに …

no image

法人成り

確定申告の作業でドタバタしておりますが、お客様からこんな要望がありました。 「法人にしたらどのくらい税金が変わってくるの?」 今日は法人成りした場合の税金についてお話ししましょう。 法人にするメリット …

no image

届出書関係

いよいよ3月もあと約1週間です。 3月といえば、決算を迎える会社が多いのではないかと思います。 そこで本日は、決算前にやっておくべき「届出書」についてお話しましょう。 「届出って確定申告と一緒に出せば …

no image

教育資金贈与について

「皆さん、教育資金贈与の非課税というのはご存知でしょうか? おじいちゃんやおばあちゃんから孫に対して贈与した場合に 一定の教育資金の贈与については非課税になります。 当スク-ルの受講料もこの非課税の対 …

no image

個人事業税について

個人事業税は、所得税のように申告する必要はなく 都税事務所や県税事務所から、勝手に納付書が送られてくるタイプの税金です。 つまり、納付書が送られてこなかった方は納付の必要はございません。 では、納付書 …

スポンサーリンク




プロフィール

~プロフィール~

サイト管理人のゼンと申します。

現役税理士が税務情報や株式投資についてお話します。

役立つ記事があれば参考にしてください。

詳細プロフィールはこちら
 

~更新記事一覧~

2018年11月  ▲ 20,391円

2018年12月  +183,832円

2018年 年間収支+163,441円

 

2019年 1月  + 21,128円

2019年 2月  ▲255,290円

2019年 3月  + 58,471円

2019年 4月  ▲110,793円

2019年 5月  ▲ 69,713円

2019年 6月  +115,127円

2019年 7月  +192,802円

2019年 8月  ▲ 172,115円

2019年 9月  +415,766円

2019年 年間収支+195,383円

 

生涯収支     +358,824円