最近ご相談に来られたほとんどのお客様が口を揃えておっしゃるのは 「自分で申告していたら税務調査に入られて、税金いっぱい持ってかれたよ」 「こんど税務調査が入るんだけど一緒に立ち会ってはもらえませんか」 そう皆さん税務調査がきっかけで税理士に依頼されることが多いようです。 では、いざ税務調査が来てしまったときのために、 今日は税務調査の流れと税務調査に入るきっかけ、指摘されやすいポイントをご紹介しましょう。 税務調査の流れ まず、税務調査は1~3日程度の期間で行われます。 通常2日、大きな会社であれば3日になることが多いと思われます。 また、調査官は1~3名来るのが通常です。 こちらも通常1名、大きい会社であれば3名といった感じです。 税務調査の初日、午前10時ごろに調査官はやってきます。 最初の1~2時間は聞き取り調査が行われます。 世間話から始まり、会社の沿革や事業内容をお話しします。 これは調査官が会社の特徴を頭に入れて調査するためのいわば下準備です。 ここでの会話により重点的に調査すべきポイントなどを探っているのです。 だからと言って嘘をつく必要はございません。 逆に嘘をついたことにより矛盾が生じれば、そこを重点的に調査される可能性もあります。 聞き取り調査が終わると帳簿、書類などの調査が始まります。 請求書、領収書、総勘定元帳など、いろいろな書類を提示するように求められます。 税務調査の連絡があった時点でどのような書類を用意しておけばいいのかは事前に確認を取っておいた方が良いと思います。 調査官から何度が質問されることもあるため、外出などされる場合には事前にスケジュールを伝えておきましょう。 通常17時頃で調査官が帰ります。 調査期間が2日であれば、2日目の16時頃に調査結果の説明が始まります。 ここで「特に問題ありません」と調査官が言ってくれれば安心なのですが、 「ここについて修正していただきたい」と言われた場合には、 十分に吟味した上で修正するかしないかを判断していただき、後日税務署に連絡することになります。 注意していただきたいのは修正する義務はないという点です。 「調査官が言うんだから間違いないはず」と思い、納得しないまま修正に応じてしまう方がいます。 修正に応じた後に税理士に依頼した場合、再修正するのは非常に難しくなります。 そのため、修正する前にまず税理士にご相談いただくことをお勧めいたします。 税務調査に入るきっかけ 「税務調査は何年毎に来るの?」や 「飲食店は税務調査に狙われやすい」とか様々な情報がありますが、 まぁ間違ってはいないと思います。 結局、どんな個人事業・会社であれ税務調査が来る可能性は絶対にあるわけで、 その中で対象となりやすいところの共通点があります。 ①不正が発見されやすい業種 パチンコ屋やスナック・バー、不動産業などは不正や間違いが多い業種とされています。 そのため税務署もそのような業種に調査に入る回数を多めにしているのです。 ②過去に不正が発見されたところ 一度不正が見つかったところについては、再度税務調査に入る可能性が高くなります。 ③決算書に異常値がある場合 前期に比べ売上げが急に増減している場合や 多額の寄付金、交際費などを計上している場合には調査が来る可能性が高くなります。 ④長期間調査に入っていない場合 会社によっては10年以上調査に入られていない、または開業してから一度も調査がないというところもあります。 しかしそういった場合でもいつか税務調査が来る可能性がありますので注意が必要です。 ⑤税理士に依頼していない会社 「税理士が作成した申告書だから調査はしない」ということはないのですが、 やはり税理士ではない社長や経理の方が作った申告書にはミスが多くみられます。 そのため調査が来る確率は高くなります。 指摘されやすいポイント 税務調査で指摘されるポイントは下記のようなものです。 ①売上・仕入の計上漏れ、期ズレ 期ズレというのは本来前期に計上すべき売上を当期に計上している場合など計上するべき事業年度が間違えていることを言います。 ②棚卸資産の計上漏れ ③固定資産とすべきものの経費計上 ④交際費の計上漏れ ⑤架空人件費、架空経費 ⑥消費税の課税区分の間違い ⑦印紙の貼付漏れ ⑧親族間などでの取引 上記のようなポイントを税務調査の連絡がきたあとではなく、 常に決算や申告書を作成するときに注意していただければと思います。
税務調査
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執筆者:ゼン