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ふるさと納税の概要

投稿日:2019年1月14日 更新日:

 ふるさと納税という制度を簡単に説明しますと、 自分の好きな自治体を選択して、所得税や住民税をその自治体に納めることができる制度です。

 もちろん、生まれ故郷や育った地方を選択しても構いませんが、 何のゆかりもない自治体を選択することも可能です。 自治体によってはふるさと納税することによって、いろいろなプレゼントが用意されているようです。

 こういった話はニュースなどでご存知の方も多いと思います。
 では、実際に税金の計算はどうなっているのかを今回はお話ししたいと思います。

1.全体的なイメージ

 上記では「好きな自治体に所得税・住民税を納める」とお話ししましたが、実際には好きな自治体に「寄付」をします。その寄付した金額を所得税・住民税の計算上、控除することができるのです。
 たとえばA区に毎年住民税を100円を納めている方が、 B区に30円寄付すると、 A区の住民税の計算は100円-30円で70円になるといった感じです。 B区への寄付30円、A区への住民税70円の100円で本人の負担額には変更なしというわけです。
 さらにふるさと納税を受けたB区から、特産物などのプレゼントがあるわけですから お得な制度だということがわかると思います。

 ただし、ご注意いただきたい点が3点あります。

ポイント1
「ふるさと納税をした年は確定申告しなければいけません!」

 ふるさと納税による寄付金控除は、確定申告して初めて控除することができます。
(例外としてワンストップ特例制度が適用できれば確定申告は不要です。)

 事業や不動産賃貸をされている方であれば毎年確定申告されていると思いますので問題ございませんが、 給与の方は会社で年末調整を受けるだけで、確定申告をされていない方が多いと思います。
 そのため、平成30年中にふるさと納税をした場合には平成31年3月15日までに確定申告する必要があるのです。 さらに、確定申告の無料相談会などは平日に開催されることが多く、 会社員の方々は平日にお休みをとって相談に行くか、ご自身で調べて確定申告することになります。

ポイント2
「ふるさと納税のうち2,000円は自己負担です!」

 上記ではB区に30円ふるさと納税した場合の例をあげましたが、 厳密には全額が控除の対象にはならず本人負担額があります。
 ふるさと納税した金額のうち2,000円は控除の対象にはなりません。つまり、10,000円のふるさと納税をした場合には、寄付金控除できるのは8,000円になってしまいます。

ポイント3
「原則、住民税の1割以上の寄付は控除にならない!」

 ふるさと納税は好きな自治体に寄付することができます。 しかし、寄付の全額を控除できることとした場合には、住んでいる場所には1円も納税しないことも可能になってしまいます。
 したがって、先ほどの自己負担2,000円とは別に、ふるさと納税の寄付金控除の限度額があります。

 控除限度額を計算するのは複雑ですが、目安として「住民税の1割」と覚えてください。 年間の住民税が10万円だとすれば、その一割の1万円が寄付金の限度額です。 1万円以上ふるさと納税したとしても住民税の計算上控除されず、ただの払い損になる可能性があります。
 

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